2006年新春号
ノルディックスキーの祭典まであと1年
〜2007ノルディック札幌大会組織委・佐々木事務総長に聞く〜
2007年FISノルディックスキー世界選手権
札幌大会組織委員会事務総長
佐々木 喜四
氏
1943年1月生まれ。66年小樽商科大学商学科卒、同年札幌市に採用。97年総務局長、2001年助役、03年7月助役を退任の後、同年9月より現職を務める。
聞き手:北海道新聞社広告局長 矢萩 竹美
「ノルディックスキー」とは、「ジャンプ」、「クロスカントリー」、そしてこの2種類の競技を合わせた「ノルディックコンバインド(複合)」の3競技の総称です。
「ノルディック」とは「北欧人の、北欧の」という意味を持ち、その名前が示すようにノルディックスキーの起源はノルウェーと言われています。
いよいよ来年に迫りました「2007年FISノルディックスキー世界選手権札幌大会組織委員会の佐々木事務総長をお迎えして、お話をお伺いします。(本文敬称略)
(矢萩)
あけましておめでとうございます。いよいよ開催まで1年余りとなりましたが、まず始めに、大会の概要について教えてください。
(佐々木)
大会は2007年2月22日(木)から3月4日(日)の11日間にわたって開催されます。競技種目数は3競技18種目になります。競技は、ジャンプ、クロスカントリー、ノルディックコンバインド(複合)。種目はジャンプが3種目、コンバインド3種目、クロスカントリーは男女別に分かれていて、6種目ずつの12種目です。ジャンプ競技は大倉山と宮の森のジャンプ競技場で、クロスカントリー競技は白旗山競技場、そして札幌ドームで行われます。詳細な日程は最終的には決まっていませんが、人気があるジャンプは週末を予定しています。競技時間ですが、ノルディック人気の中心はどうしてもヨーロッパになることから、日本との時差が約8時間ある関係で、ヨーロッパでのテレビ放送を考えると、どうしても競技開始が夜になってしまいます。ジャンプはナイターを予定していますが、クロスカントリーはそうはいかないので、日没時間にかからない範囲で、できるだけ遅い時間にスタートできるように調整しています。
(矢萩)
選手役員、プレスも含めて国内外からどのぐらいの人数が大会に来られるとお考えですか?
(佐々木)
参加国は約40カ国を予定しています。選手役員は約1,000人、プレス関係は500人を超えると予想されており、北海道、札幌をPRするいい機会だと考えています。この世界選手権はオリンピックに匹敵する冬季競技の最高レベルの大会です。世界のトップアスリートが日本で真剣勝負する姿を目の当たりにする機会はめったにないので、ぜひ多くの方に観戦してもらいたいですね。
(矢萩)
今まで、過去3回立候補され、4回目で札幌開催に至ったとお聞きしています。正式に開催が決定するまでのエピソードがあれば教えてください。
(佐々木)
ノルディックという競技はヨーロッパ諸国では、国技みたいなものです。この大会は1924年に第1回が開催された歴史ある大会ですが、ヨーロッパ以外ではほとんど開催されておらず、1985年の単独開催以降アジアにおいて開催されたことはありませんでした(1984年以前は冬季五輪を兼ねて開催されていたので、アジアでは1972年の札幌冬季五輪以来2度目の開催となる)。ヨーロッパ以外ではアメリカのレークプラシッドとスコーバレー、カナダのサンダーベイでしか開催されていませんでした。しかし、札幌が4回目の立候補という熱意が評価されたことと、世界的なスキー人口の減少から、アジアのスキー市場の活性化を狙い、ヨーロッパ以外の地域で開催することが決まったのでしょう。
(矢萩)
札幌では冬季五輪以降、冬季アジア大会などもありましたが、35年ぶりの大規模な国際大会ということになり、市民・道民も期待しています。大会へ向けた準備状況はいかがでしょうか。
(佐々木)
実は、組織委員会には札幌冬季五輪の運営を経験した人間がほとんどいません。一番詳しいのは、組織委員会の伊藤義郎副会長でしょうか。ただ、札幌ではジャンプやサッカーなどのワールドカップを成功させている実績があります。大会に向けては現在、組織委員会の62名が鋭意準備を進めているところです。
(矢萩)
組織委員会はどういった方々から構成されているのですか。
(佐々木)
多くは札幌市からの派遣職員で、6割近くを占めています。その他、私のような札幌市OB、北海道庁、北海道教育委員会、北海道警察、JR北海道などから出向されている方もいます。もちろん、プロパーの職員もいます。
(矢萩)
今後、職員の数は増えるのですか。
(佐々木)
若干増員する予定はあります。しかし、機能的には今後大会を支えるボランティアの方々が、重要になってきます。昨年、500人の予定で募集したところ、822人の応募をいただきました。この方々にはすでに研修を受けていただいておりますが、今後、通訳や競技支援など、さまざまな活動でご協力していただくことになります。この春には第2次募集を行い、総勢2,000人のボランティアの方々に、大会運営などでご活躍いただくことになります。また競技運営は、毎年国際大会に携わっている札幌スキー連盟の方々に中心になって活動していただきます。
(矢萩)
今年、トリノ冬季五輪があり世界ノルディックのプレ大会であるワールドカップも札幌で開催されます。来年の本大会に向けて徐々に盛り上がりを見せていくのではないかと思いますが、今後の大会PRとしてどのような事を企画しておられるのですか。
(佐々木)
これまでは、大会ロゴマークやマスコットキャラクターの決定、あるいは公式ポスターの作成などを行ってきたほか、昨年は、例えば雪まつりでマスコットの雪像を制作したり、市内各区のイベントに出向いてステージイベントやパネル展示を行うなどのPRをさせて頂きました。エゾシカがモチーフのマスコットキャラクターの名称「ノルッキー」は、全国から募集し、2,340件の中から採用されたものです。また、昨年の10月10日には開催500日前を記念して、札幌駅前にモニュメントを設置し、カウントダウンイベントを行うなど、さまざまなPR活動を行ってきました。今年から来年の本番に向けては、さらに力を入れて集中的にPRをしていきたいと考えています。現在は、PR媒体に市の広報誌などを利用していますが、やはり新聞紙面に掲載されるのが一番効果的であると考えています。
(矢萩)
来年の本番に向け、節目節目で組織委員会さんから話題を提供して頂けると、記事で取り上げさせていただけると思います。ただ、大きく紙幅を使う際には、参加国や日本代表選手などが正式決定したというような、トピックが必要になります。
(佐々木)
それらのスケジュールはまだ決まっていませんが、やはり世界に通用する強い日本選手がいることが最高のPRになるのですが。
(矢萩)
女子フィギュアスケートの代表選考は盛り上がりましたね。選考大会のテレビ視聴率も高かったようです。ノルディックでも知名度があるベテランの復活か、若い選手の活躍に期待したいですね。
(佐々木)
トリノ冬季五輪でそういった選手が出てくることを願っています。今年はプレ大会に位置付けている、ノルディックスキーの各ワールドカップがあるので、その場でも積極的にPRを行いたいと思います。
(矢萩)
最近、北海道には台湾や東南アジア諸国からの観光客が増えていますが、海外へのPRもお考えですか。
(佐々木)
雪まつり会場でのPRが重要です。暖かい国々の人にも純白の雪、そしてスキーの楽しさを覚えていって欲しいですね。
(矢萩)
中国や台湾では北海道観光ブームが続いているようですが、観光客に温泉や北海道料理のほか、スポーツ観戦もアピールできるといいですね。自国に帰ってから、来年北海道では大きなスポーツ大会が開催されるという話題を提供してくれるかもしれません。
今回の大会では、札幌ドームを会場として利用したり、表彰式を札幌の中心部で行う案がありますね。こういった施設面での話題性もあるのではないですか。
(佐々木)
札幌ドームについては、クロスカントリーのスプリント(短距離)とコンバインド(複合)の計5種目のスタート、ゴール地点として屋内部分を利用します。事前に雪を入れてテストを行い、技術的には問題ないことが確認されています。ノルディックといえば、自然の中で行うのが普通で、吹雪や寒い中でも観客は我慢して観戦していました。さらに昔は、ワンウェイコースが普通で、走っているところを観戦できるのは、ごく一部でしかありませんでした。現在は、ワンウェイではなく周回コースを設定することが多くなりました。観客は、その周回コースで選手のデッドヒートを堪能できるのですが、今回はその光景を屋内で観戦できるのです。国際スキー連盟をはじめ世界中のマスコミも非常に注目しているようです。
(矢萩)
札幌ドームとしても、サッカー、野球、コンサートなどのイベント開催に次ぐ利用法としてアピールできますね。
(佐々木)
表彰式は今のところ札幌駅前で実施する予定です。会場には屋台などを出し、海外の選手と市民、観客が交流できるような場所にしたいと思っています。
(矢萩)
海外の大会では、会場がある街全体がお祭りのような雰囲気になるとお聞きしていますが、札幌の場合、競技会場と街の中心部が若干離れています。市内中心部の盛り上げがポイントになるのではないでしょうか。
(佐々木)
選手も市民も観客も、大会を楽しむということが一番大事なことです。前回大会は、ドイツのオーベルストドルフで開催されました。その街は人口1万人の小さな街なのですが、約36万人の市民、観客が押し寄せました。中心部の公園では夜中までホットワインを飲んだり、音楽を聴いたり、大変賑やかな雰囲気で、大会の楽しみ方を知っているなと思いました。
(矢萩)
札幌でも知恵を出しあって、国際交流の演出ができたらいいでしょうね。
(佐々木)
市民からもご協力をいただいて、札幌へいらっしゃった海外の方々に、北海道の魅力をぜひ体験していただきたいと思います。
(矢萩)
最後になりますが、この大会をどのようなものにしていきたいか、また本番へ向けての課題などがございましたらお聞かせください。
(佐々木)
組織委員会としては、選手が最高のパフォーマンスを発揮できる舞台を作ることが最大の目標です。その上で、多くの人々に大会の楽しさを知っていただき、観戦に来ていただきたいということです。課題としては、それらの目標に向かって様々な準備をしていかなければならないということです。閉会後に思い出に残る素晴らしい大会だったといわれるようにしたいと思います。
(矢萩)
私たちも地元メディアとして大会を盛り上げるために、さまざまなアイデアを出したり、お手伝いをしていきたいと考えています。あと1年と迫ってきましたが、大会の成功をお祈りいたします。本日は、長時間お話をお聞かせいただきありがとうございました。
ウインタースポーツの先進都市として
上田 文雄
札幌市長
(財)2007年FISノルディックスキー世界選手権 札幌大会組織委員会会長
皆様、あけましておめでとうございます。
さて、2007年FISノルディックスキー世界選手権札幌大会の開幕まで、あと1年あまりとなりました。札幌市においては、これまで、1972年札幌オリンピック冬季大会、1986年第1回アジア冬季競技大会、1990年第2回アジア冬季競技大会、1991年札幌ユニバーシアード冬季大会と、大規模な国際大会が継続的に開催され、札幌の自然と気候を生かしたウインタースポーツの振興が図られてきたところでありますが、ユニバーシアード冬季大会から十数年を経過した今日、このFISノルディックスキー世界選手権が札幌の21世紀初頭を代表する大会となります。
1924年に始まった世界選手権は、以前は冬季オリンピックを兼ねていましたが、1985年に単独開催となってからは、札幌大会がアジア地域で初めての開催となります。また、今大会の目玉は、大会史上初の屋内競技場を使用したクロスカントリー競技の実施です。これは、北海道日本ハムファイターズやコンサドーレ札幌のホームスタジアムである札幌ドームに雪を搬入し、コースを造るもので、世界中から注目を集めることになるでしょう。
札幌市では、現在、集客交流の振興や札幌にふさわしい豊かな都市文化の形成を進めているところですが、この世界選手権のような国際的スポーツイベントの開催は、これらの大きな推進力となり、札幌オリンピックで築いた札幌の名声をさらに高め、札幌の持つ魅力を世界により広く発信する絶好の機会となると考えています。また、世界最高レベルの競技を間近に観戦できる場の提供は、未来を担う子供たちの夢と希望につながっていくものと確信しているところです。
大会組織委員会そして札幌市は、アジアにおけるウインタースポーツの先進都市として、この大会を成功に導くために最大限の努力をいたしますので、皆様のご協力を何とぞ、よろしくお願いいたします。
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05年新春号
「ノルディックスキーの祭典まであと1年」
2007年FISノルディックスキー世界選手権 札幌大会組織委員会事務総長
佐々木 喜四 氏
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05年春季号
「地域密着型営業展開を目指す新たな「JTB北海道」がスタート
株式会社 ジェイティービー 取締役北海道営業本部長 高橋 威男 氏
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06年新緑号
「北海道観光のフレッシュな魅力をプロデュース」
野口観光株式会社 野口観光マネジメント株式会社 代表取締役社長 野口 秀夫 氏
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06年盛夏号
「質の高い救急医療、専門医療、高齢者医療と介護ケアで地域に貢献する」
渓仁会グループ最高責任者 医療法人渓仁会 理事長 秋野 豊明 氏
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06年秋季号
「レモンを素材に多角的な商品開発 地域密着型の提案も積極的に」
株式会社 北海道ポッカコーポレーション 代表取締役社長 山田 伸治 氏
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